予めワイヤーや上からの指示に基いてデザインカンプを作るオペレーターが ほぼゼロからユーザーについて調べて、 問題を提起してデザインを掘り起こしていくデザイナーにスキルチェンジしようとすると、 オペレーターという特性上、様々な壁にぶち当たることがわりと多いようです。
オペレーターが根本的にぶち当たる壁はここだと思います。 オペレーションは基本的には、予めある「答え」にできるだけ忠実に合わせる仕事なんですね。 ワイヤーがあればそれが予めある「答え」ですし、 上からの指示があれば、それが「答え」です。 オペレーターは基本的にその「答え」に忠実になる癖がついているのです。
それに対して、デザイナーは、 何もないほぼ真っさらな状態から問題点を抽出し、自らの手で問題を作らなければいけない。 問題がないと「答え」はないですから、まずはとにかく問題を提起しなければいけない。 この部分が最もオペレーターが未経験な部分だと思います。 今までは初めから「答え」が用意されていたわけですから、 自ら「問題作成」から始めなければいけないと聞くと、びっくりしてしまうわけです。
言い方を変えると、これは「論理的思考と感覚の問題」と言い変えることができると思います。 オペレーション作業には予め「答え」という名の論理的思考が用意されているので、 極端な言い方をすれば論理的思考は不要です。 予め論理的に構築された「答え」があるので、 感覚的にデザインカンプを作ろうが「答え」に近づけさえすれば論理的な整合性は保たれる。 だから、オペレーターは論理的思考が育っていないのです。
何もないほぼ真っさらな状態から問題点を抽出し、 自らの手で問題を作らなければいけないデザイナーは論理的思考が必要不可欠。 この部分がオペレーターの大きな壁なのだと思います。
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