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建築ではUX/UIデザインは当たり前の話?

Web/アプリデザインの世界では最近はUX/UIなどのユーザー主語デザインが話題になり、 さも革新的な概念であるかのように扱われているふしがありますが、 実は建築の世界では ユーザー主語のデザインは十の昔からごく当たり前の概念だったのではないか? というお話。

建築の住宅デザインはB to CならぬC?

Web/アプリの世界では コンシューマターゲットの場合は 「C向け」やら「B to C」などの「業界用語(?)」を使って いかにもな雰囲気を醸し出しますが、 建築家が住宅を設計する場合は、使う人も発注者も同じ「C」だったりするようです。 つまり、Web/アプリで言うところの「エンドユーザー」がイコール発注者ということです。 こうなるともはや、 ごく当たり前のようにユーザー主語のデザインになりますよね。 お金を払ってくれる人がユーザーなのですから。

建築ではデザイナー自らがユーザビリティガイドラインを作っていた

Web/アプリの世界ではアップルのガイドラインだったり ニールセンのユーザビリティガイドラインがあり、 そういったガイドラインによって Web/アプリの世界全体をコントロールしている感があります。 その根底にあるのは、デザイナーやエンジニアは暴走する生き物であり、 ガイドラインで管理することで、 最低限の操作の快適性を保つ、という意図があると思われます。 Web/アプリの世界ではデザイナーやエンジニアはユーザー主語で物事を考えない、という性悪説です。

ところが、建築の世界では デザイナー自身がユーザビリティガイドラインを作っていたという歴史があるようです。 有名なのは、ル・コルビュジエのモデュロール コルビュジエはユーザビリティ向上のために、レオナルド・ダ・ヴィンチの人体図などをベースに 「人体における数学的な比率」を割り出してデザインに生かしていたようです。

Web/アプリの世界におけるユーザー主語デザインのムーブメントは今さら感が否めない

こうして建築デザインを見ていくと Web/アプリの世界におけるユーザー主語デザインのムーブメントは何一つ革新的でもなければ特殊でもなく、 むしろ建築デザインの歴史から見れば、 今さら感が否めないものであることを認識する必要があるのかもしれません。 ユーザー主語でデザインしなかったことがむしろ特殊だったわけです。

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