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自分を変えるということ

人には自らを変えることより 現状を維持することに居心地のよさを感じる習性があるようです。 現状がどんなに苦しく、先の見えないものであっても、です。 その不可思議な人の習性がしばしば改革を難しくする。 日本の長時間労働の問題とか、 それに付随する妙な上下関係の問題なども その顕著な例ですね。 苦しいし、おかしいと思っていても、 現状を変えることよりはまし、と思ってしまうのです。

そもそも、現状を変えることより現状を維持することの方がまし、 という心理はどういうことなのか。 心理学の専門家ではないので、 以下はあくまで「UIデザイナー」としての仮説。

①現状を維持する労力より現状を変える労力の方が大きく、重い

なかなか自らを変えない人たちは 「現状を維持する労力」と「現状を変える労力」を冷静に天秤にかけている可能性があります。 現状を変えるためには、 新しいスキルを学んだり、 新しい考え方を身につけなければならないので、 その労力の大きさの前に立ちすくんでしまうことはあり得る話です。

②「一人だけ先に自分を変えるのはちょっと…」的な足並み揃える心理

日本人ならこれも十分にあり得ます。 ただ、この心理の裏側にも 「現状を維持する労力より現状を変える労力の方が大きく、重い」という心理が 隠されているかもしれません。 「現状を変えたい」ということが 純粋な欲求になっていないんですね。

③自分を変えたことが人生で一度もないので、難しそうで二の足を踏んでいる

これも十分にあり得ます。 現代日本人はレールの上である程度「順調な人生」を歩んできた人も多いので、 自分を変える方法をそもそも知らない人がいても不思議ではありません。

④今の自分にポリシーがある

年齢が上になればなるほど多くなりそうなパターンです。 年齢が上になればなるほど、 過去に自分を変えた経験がある人も出てくるので、 「現状を維持する労力より現状を変える労力の方が大きく、重い」ことも 身にしみて知っている人も多いはず。 「現状を変える」労力を避けるために 「自分にはポリシーがある」の一言を利用するわけです。

仮説①~④に共通するもの

あくまで独断と偏見の仮説ですが、 ①~④に共通するのは 「現状を変える労力は大きく、重い」あるいは「現代を変える方法がわからない」という 労力や方法の問題です。 つまり、わかりやすく誰でも自分を変えられる仕組みのようなものをデザインすれば、 一気に問題が解決する可能性を秘めているということですね。 もちろん、そんな簡単な話ではないですが。

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